民事あれこれ 供託とはなんぞや
おはようございます。今日は工事を休んで、今後の工程を考えたりしていました。
特に書くことがないので「供託」について書きます。
供託を一言でいうと、国が財産を代わりに預かってくれる制度です。でも、銀行とかではありません。
どういうことか。
物件の賃貸契約を結んだ際に問題が起こったとして、説明してみます。
ある日、借主Aさんは良い感じの物件をネット上で発見した。便利なエリアであるのに相場より家賃が安い。そこで、一度内覧に行ってみることにした。
物件到着。
思った通り良い感じだったが、リビングの壁に大きな穴が開いているのを発見してしました。そこでAさん、
借主A「あのぉ、リビングの壁の穴は現状のままでしょうか?」
家主B「いえいえ、お貸しする際はしっかりと補修致します」
借主A「ありがとうございます。じゃあこの物件借ります」
家主B「かしこまりました。じゃあ契約書作りましょうね」
Aさんは家主Bさんが作った契約書を読んでみた。ふむふむなるほど。
(壁の穴の件は契約書には載っていないが、約束したしOKだよね?(初心者Aの過ち))
借主A「はいじゃあハンコ押します。これ契約書に書いてないけど穴は塞いでくださいね」
家主B「毎度あり。もちろんです」
そしてA入居。
壁を見るとたしかに直されている。直されてはいるのだが、壁紙の色は違うわ仕上げはでこぼこだわ最低である。ここでAさん激怒、
借主A「ねえねえ大家さん壁の穴直してくれるって言ったじゃん?穴塞がってるけどこんな適当な仕事困りますよ」
大家B「え?何をおっしゃってるんですか?穴塞いでますよね?穴あります?ないでしょ?そもそも契約書には書いてねぇし。まあ、ごちゃごちゃ言ってないで契約始まってるんだから家賃払ってね」
Aさんは人知れず泣いた。
常識的に考えて、Aさんが納得できないのは理解できるが、賃貸契約が始まっている以上、Aさんが納得しようがしまいが家賃を収めないと契約違反である。Aさんは世の中は理不尽なところだと思った。
そこに友人Cさんが登場した。Aさんは今ままでの経緯をCさんに説明してみた。なぜならCさんはその道の通らしいから。
Cさん「供託をするとよい」
Aさんは法務局に行って供託を申し込んだ。これでAさんが振り込む家賃は国が預かったことになる。供託をすることによってAさんは法律上、家主Bさんにお金を渡すことなくしかも家賃未払い扱いにならずに済む。家賃をもらえないBさんはそこそこ慌てるので、Aさんとの話し合いに真摯に望むことになっとさ。
めでたしめでたし。
供託には何種類かあって使える場合が具体的に決められています。
http://houritsu-trouble.com/houritsu-chishiki/928.html
ちなみに、口約束も民法上は有効です。なぜなら、民法上では当事者双方の合意だけで契約は成立するからです。これを諾成契約と言います。
ただ、いくら口約束で契約が成り立つとはいえ、裁判沙汰になったときには「口約束は実際にあった!」ということを原告側(訴えを起こした方)は結局証明しなければならないのでボイスレコーダや第三者の証言などが必要になります。
なにか利害が発生するような約束をするときは必ずボイスレコーダーを秘密裏に取ったり、第三者に立ち会ってもらったりしましょう。
では。